はじまりは猫リップから

「ポール & ジョー ボーテといえば猫コスメ」。

そんなイメージを定着させるきっかけとなったのが、猫の形をしたリップスティック。

デザイナーのソフィーは大の猫好きで、コレクションのパターンにも、たくさんの猫が登場します。そんなポール & ジョー ボーテのクリエイションや世界観づくりになくてはならない猫を、化粧品ブランドの象徴であるリップスティックで表現できないだろうか……猫型のリップスティックは、そうした想いから生まれたものだったのです。

猫柄のパッケージはありましたが、リップスティックで猫を表現するのはブランド初の試み。外を見渡しても前例がなかったため、当時の開発担当者が「立体的な猫のリップを作りたい」といくら口で説明をしても、周囲は「？？？」。理解を得ることが難しかったそう。

そこで担当者は、彫刻刀で既存のリップスティックを掘り、猫リップを手作りしてイメージを伝えることに（！）。そうした情熱と様々な紆余曲折を経て、2010年にようやく初代の猫リップが完成（写真右）。発売と同時に大きな話題を呼び、大人気アイテムとなっていきました。

この初代猫リップを皮切りに、ありとあらゆる猫リップが登場。猫のお顔も少しずつ変化していき、お帽子をかぶってみたり、アーモンドのお花で飾り付けしてみたりと、様々な可愛さを振り撒きながら進化していきました。

猫のかたちをしたリップは、本物の猫のような可愛さゆえ、「もったいなくて使えない」という声もしばしば……。そこで、使っても猫がずっといなくならないリップを作ってみようと生まれたのが、スティックの中心部に猫の顔を埋め込んだ“金太郎飴”バージョンでした。基本の猫リップのようなリアルさはないものの、2次元な猫もまた新しい可愛さでヒット。今なお再販を望む声が聞かれる伝説の1本です。

 2022年の20周年アニバーサリーコレクションでは、リップのみならずケースまで猫ちゃん型に！ケースはフロッキー素材で作られており、見た目も手にした感触も猫の毛並みのように柔らか❤︎ 二匹を手のひらサイズにしたような愛くるしさで大きな反響を呼び、瞬く間にSOLD OUT。幻の一品となりました。